第6話
僕は、安易に感謝を口にするのがあまり好きではない。
ここで勘違いして欲しくないのは、決して『ありがとう』を思わなかったり言わなかったりする訳ではないということ。
むしろ、積極的に言う方だと思う。
そう教えられ、そう心がけてきた。人の善意に対して素直に感謝することは当たり前である。
では何に対し、"安易"と言うか?
今日はそんな話を綴ることにする。
事あるごとに感謝を不特定多数に向ける人、そんな人っているでしょう。
『みんなありがとう』
『世界に感謝』
これが全く理解できないのである。
僕は、感謝を伝えるべき相手にちゃんと照準を定めないのは失礼なのではないか?と思ってしまう性質らしい(正直面倒くさい類の人間だ)。
世界に感謝、ありがとう。とか、みんな生まれてきてありがとう。なんて思わない。
『ありがとう』ってのは、自分に対し何かをしてくれた人にのみに向けるべき魔法の言葉だと思う。
偽善でもなんでもいい、独りよがりだと思われても誰かに感謝される人間でいたい。
人を殺したテロリストやソマリアの海賊、よくわからない政治家には感謝していません、私は。
今日1つの感謝をするとすれば、こんな下らない戯言を読んでいるあなたへ。
ありがとうございます。
愛をこめて。
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