第24話
平成も終わり、令和の時代がやってきた。
そんな改元1日目、すごく壮大な夢を見たのでここに記す。
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僕はどこかの廃工場(らしきところ)にいた。
そこでは老人のメカニック、女子高生、警察官、会社員、教師、大学生…etc 本当に色々な人たちがいたんだけど、何かの"目的"があってサークル活動みたいなことをしているらしい。
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ある時、オタクっぽい高校生3人組が僕らの酒をちょろまかすという事件があった。
彼らは僕らの仲間のお酒が飲みたいわけじゃなく、このサークルについてなにかしらの疑問を持っていたみたいだ。
非番だった仲間の警察官が警察に突き出す際、彼らはこともあろうに殴られた風メイクをし僕らに殴られたと主張する。動画もそれっぽく編集し、いかにもなカンジに仕上がっていた。
言い逃れはできなさそうな雰囲気。
いかにも今っぽい、権力や得体の知れないものへの若い抵抗だ。
世間は彼らの味方をするのではないか?
そんな風向きを変えたのは、ネタバレのような動画がその後すぐ世に出回ったこと。
彼らが殴られた風のメイクをする様子や、動画編集の様子が記録された映像が世間に触れるや否や、現代っ子の恐ろしさをクローズアップするワイドショーが連日報道される。
彼らは改心し、恥ずかしそうに仲間に入れて欲しいと僕らに打ち明けハッピーエンド…?
こちらのネタバレ動画にはどうも人外の妖怪のようなものが携わっていたようだ。
夢だからわかる、にしてもなんだろうねこの設定。
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彼らが仲間に入った直後、ささやかなパーティが開かれ、そして皆の歓迎ムードの中にその新人会は閉じられた。
メカニックのじーさんが戸締りをしていて異変に気付いた。なぜか裏口のドアが閉まらない。鍵を閉めたのに開いてしまうし、また閉まったり開いたり偉い磁場が不安定なんじゃ…と不安そう。
『じゃ…って実際言う人いるんだなあ』
なんて呑気に普段のドアを開けたら、外は魔物魔物魔物のスクランブル状態。
ひえー、と思いながら僕は頭の中でコントローラーを握ってAボタンを押すと爆発する魔物。
なにこれ僕の能力!?と思いながら魔物を破裂することが今までの義務だったかのように繰り返した。
どうも、もう1人いる相方と魔物を倒しながら落ちている長い風船を拾い集め、ダックスフンドを作ってポーズを決めないと表口のドアは魔界に繋がったままらしい。
(書いていて笑ってます。夢を見ている時は違和感なかった。)
結果、僕のポーズがダメすぎて危機を迎えたが、何故か見たことのある人間?がこっちの世界にいて助けてくれたので無事パワーが発動し、見たこともないでっかい花火が上がり魔物たちは消え失せた。
魔界から帰る途中、人間の彼とすれ違う瞬間、スローになって
"なんでお前こっちにいるんだよ?"
"今はまだ、わからなくていい。"
みたいなベタなやりとり。えぇ、まだ続くの、この物語?
なんて思いながら無事現世に帰還。
メカニックのじーさんも裏口から帰還していた。割とやるのねこの人。
魔界の戦闘で相方だった女子高生(この字面、今描いてて赤面ものです。)はいつもと変わらずクールな感じで帰宅していった。
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後日、その時相方だった女子高生が、その日の帰りに実はすごく怖くて彼氏に会おうとしたけど冷たくされたのでセフレに救いを求めた。的な話を聞いた。
そんな話をメカニックのじーさんが聞いて、
『セックスしてもできるのはその相手に対しての不安、出来たら生まれた子どもとのその後の地獄の生活。魔物の方がマシ。』
とか言ってて一体この人はどんな人生を歩んできたんだろ?と少し笑ってしまった。
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長い。
こんな長い夢を見て覚えてるのは奇跡。
改元のなせるワザかな。
さよなら平成、よろしく令和。
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